117回 「童心にかえる」
一等 土田
講評 藤本
本年度9回目
前回の議論となった、面白さを出すための「遊び」
子供のころは、遊びにあふれた楽しい日々だった。
そんな子供のころをおもいだしてみることが、卒業設計を行うにあたって頭を柔軟にすことになるのではないかと言うことで、今回のテーマは「童心にかえる」となった。
一等作品は土田案
本作品には壁で隔てられた「あちら」と「こちら」の空間が存在する。
通常は空いていて大人たちは「あちら」に行ける。
ただ時々この扉が閉まっていて「あちら」には、いくことができない。
そんなとき、いつもはドアに隠れて気が付かなかった落書きに出合う。
思わぬ出会いが生まれる。
子供たちが、童心で書いた落書きに、日々ドアを通り抜けるだけの大人が立ち止まった時に出合う。
「子供のころ遊んだ、遊具や秘密基地(高架下)などを思い出してみると、そこにはみんなが描いた落書きがあったな~」
私以外のだれもがこのように感じていた瞬間だったと思う。
「童心にかえる」とは、日々せかせかと生活する私たちの生活の中に楽しさを与えてくれることなのだと思う。
全員の童心を引き出せたことがこの作品の評価につながったと言える。
振り返ってみると、ここには次のテーマが隠されていた。
それは「出会い」である、作品中のおとなが童心に帰れたのは、落書きに出合ったからである。こうしてみんなが童心に帰れたのはこの作品に出合ったからである。
人が何かを感じるとき、そこには何か出会いがあるのではないか。
次回のテーマは「出会い」、それは人なのか、ものなのか、果たして一体みんなは何と出会ってくるのか。