Harada Masahiro Lab

原田真宏研究室ゼミ活動 「SYU-MAI」HP

第144回「、」

令和五年度原田真宏研究室B4によるSHU-MAI第8回目を迎える。
今回のテーマは「、」である。

 

今回は、今までの集大成として、テキストで与えられたテーマに対し、言葉で応えた。
もう一度同じやり方でSHUMAIをやってみることによって、これまでの一連のSHUMAIをやってきたことで、成長を実感したとの声があった。

 

【飯泉案】

「束の間」

 

 

【井浦案】

「対話」

 

 

【鈴木案】

「沈黙する逃げ道」

 

【服部案】


「間」

 

【中西案】

「3つの、記号」

 

【松野案】

「日常に、『、』」

 

【江口案】

「被修飾エレメント」

 

【町田案】

「緩急」


【総評】

今回は「、」がお題である。
提出は模型とテキストという初回の「3」と同じ形式で、原点回帰となった。
しかし、計7回のSHU-MAIを終え、様々な表現方法を試してきた我々にとって、今回は初回と異なり、より建築に近づいた作品が多くなったように思う。

「、」を文章の中にある要素として抽出した服部、町田、江口、中西案。
しかし、その捉え方は異なり、つなぐものとして捉えた服部案は、部屋をつなぐ階段で表現。
間として捉えた町田案は、壁などの「言葉」をつなぐ間の空間で表現。
江口案は、文章の中でも使われ方が異なる点に着目し、人間のふるまいによってエレメントを使い分ける様子を表現。
中西案は、テキストをそのまま空間化し、「、」の種類ごとにオブジェクトを変化させて独創的な表現をしていた。

「、」のもつ性質に注目したのは松野、鈴木案。
松野案は、文章の輪郭をつくったり、調子をもたせる性質から、場や人に対話を促すような「、」のあり方を建築で表現。
鈴木案は、「、」の持つ「つなぐ」性質と「沈黙」の性質をひとつの建築のなかで表現した。

作品に「、」を打つという操作で表現をした井浦、飯泉案。
井浦案は、もとのかたちを崩すことにより、そこで生まれた空間が居場所になる様子を表現。
飯泉案は、一本の線だったものを「、」を打つような操作によってほどき、魅力的な空間をうみだした。

それぞれが共通点はありつつも異なる「、」の解釈をし、表現したものも多様であった。
総評では、「、」の持つかたち性の議論もうまれ、筆脈を意識した表現は、日本独特の曖昧さに繋がっているのかもしれないという結論になった。
また、松野案はバス停、飯泉案は国境など、作品がどういう場所にありそうかなどの議論も生まれた。

全8回を終え、言葉やカタチや空間から性質や要素を抽出して表現をしていくうち、だんだんと建築に近づいた成果物になってきた印象がある。
次回はさらに卒業設計につながるものとするため、作品がどこにありそうかなどの背景を議論し、建築的な思考を深めていきたい。
お題は「アルミホイル」。
我々のモチベーション的に次回で最後になるかもしれないが、楽しみにしていただきたい。

(文責:鈴木)

 

【次回:第144回】

SHUMAI 第9回 
テーマ:「アルミホイル」 
            →「自分の居たい空間」

7/4 15:10~18:30 (出力など時間厳守)

《最終成果物》
タイトル+ 150mm角の模型+ ビジュアル


《条件》
•ラフに、丁寧に
・ありそうな場所を想定する

 

お楽しみに!

(文責:中西)