Harada Masahiro Lab

原田真宏研究室ゼミ活動 「SYU-MAI」HP

第147回 「SHU-MAI文庫」

本投稿をもって、2024年度原田研究室SHU-MAIを始めさせていただきます。
2024年度もよろしくお願いいたします。

表紙|制作 : 半田洋久, 細田雅人

さて、建築学部における「SHU-MAI」という活動は、全国的にも広く様々な研究室で取り入れられたことでコモディティ化したと言えるでしょう。数多の代を跨ぎ今回で147回を迎えた原田研究室も、そのSHU-MAIをなぜ取り組むのか、どう取り組むのかを再考すべき時期にあります。

 

2024年度は『SHU-MAI文庫』というコンセプトで、全9回の学内展示に加え、有元史郎記念交流プラザにて会期3日間の外部展示を計画しております。

 

【2024年度 SHU-MAI文庫 メンバー

大池智美

細田雅人(SHU-MAI係)

末松拓海(ゼミ長)

田川歩知

廣澤陸

半田洋久(SHU-MAI係)

栗林亜佐子

森日菜子

鈴木創

 

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目次

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『SHU-MAI文庫』

表紙|制作 : 半田洋久, 細田雅人

序文|制作 : 半田洋久, 細田雅人

目次|制作 : 半田洋久, 細田雅人



【2024年度SHU-MAI 主題文】

 例年の原田研究室自主ゼミ『SHU-MAI』は、抽象的な事象に具体的な形を与える訓練として、100*100*100mmの領域を設定した模型による議論を行ってきた。今回で147回を迎えるこの活動について懐疑的な意見も見られ、そのあり方も再考すべき時期にあるだろう。
 本年度は『SHU-MAI』の積極的形骸化を試みる。研究室生の探求テーマに準じた「各回テーマ」を出題。参加者は1週間の内に1冊の本(形式内容自由)を選書、読書し、得た学びについて自由な形式で表現したものを成果物とする。議論を行った後、それらは選書された本と共に「SHU-MAI文庫」へ配架する。
 「SHU-MAI文庫」では、本質的かつ批評的な提案を行うための豊富な知識の構築と、提案に対する適切な表現の会得、空間や形態の感覚的な操作に留まらない論理的思考の向上を目指す。

文章 : 半田洋久
序文より引用

 

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SHU-MAI文庫 解説

まずSHU-MAIについて説明します。
例年毎週出題される1つのテーマに対し、各々が独自の切り口で主題を見出し空間化する力を鍛えることを目的として、100*100*100の領域に模型によるビジュアライズを成果物として議論することを行なっていました。

今年の原田研究室のSHU-MAIは、そのフォーマットを積極的に形骸化させ、外に開いたダイアローグを目指します

まずフォーマットについてです。

1. 出題_theme

先日原田研のメンバーのみで行われた第0回SHU-MAIにて、各々の建築における思想や研究テーマ、興味、卒業設計と紐付け、SHU-MAI参加者で議論したいことを「各回テーマ」として持ち寄りました。その「各回テーマ」を出題とします。

2. 選書_choice

各回では、出題されたテーマを読解し自分なりの主題を見出し、一冊の本を選書する。本の形式や内容は自由です。

3. 読書_input

選書した本を読書し、その本について共有、議論したい学びを見つけ出します。

4. 表現_output

読書から得た学びや気づきについて自由な形式で表現したものを成果物とする。成果物は複数人での議論を前提とした共有可能な状態であることを前提とし、空間の提案あるいは建築的思考に繋がることを条件とします。

4. 議論_discussion

議論の場では各自の成果物を共有し、テーマの読解から選書の経緯、選んだ本の解釈と成果物について「各回テーマ」を軸に議論します。

5. 配架_exhibition

本部棟9階アトリエ原田研ブースの棚に設置する展示台を「SHU-MAI文庫」とし、成果物は本と共に「SHU-MAI文庫」へ配架します。他学年や他研究室の目に触れる場に展示します。

 

このように、展示することを前提としたアウトプットをもって議論を行うことで、更なる議論の展開と、知識の共有を図ります。他研究室や他学年、修士生の参加を積極的に歓迎し、芝浦の中での議論の場所まで展開したいと考えております。

このようにして行なった9回の作品と学びについて、さらに原田研究室の9人が個人単位でまとめ直し、アーカイブすることを目的とした外部展示を行うことを計画しております。こちらの展示は学外からも参加することが可能で、どちら様もご覧いただくことができます。ぜひお越しいただけますと幸いです。
※外部展示につきましては、原田研究室外からの出展は行いませんがご了承ください。

 

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第0回 SHU-MAI文庫 

SHU-MAI係の半田, 細田より、各回テーマの持参とデザインを課題として開催されました。また、本の内容や形式に偏りが出ないようにするため、「各回テーマ」は概念的かつ根源的であり、広義に解釈できるものが好ましいと指定がありました。

デザインフォーマット|制作 : 細田雅人, 半田洋久
各回テーマの発表と質疑応答の様子

発表の風景|撮影 : 細田雅人

成果物が並ぶ|撮影 : 細田雅人

議論がはずむ|撮影 : 細田雅人

決定したスケジュール(確定版)

4/19・・・第1回『群像』(18:00~)
4/26・・・第2回『嘘』(18:00~)
5/10・・・第3回『記憶』(18:00~)
5/17・・・第4回『文華』(18:00~)
5/24・・・第5回『性』(15:00~
5/31・・・第6回『重心』(15:00~
6/7・・・第7回『共用製図室から考えるコモンズ』(18:00~)
6/14・・・第8回『訴求』(18:00~)
6/21・・・第9回『退廃のすゝめ』(18:00~)
7/2~7/4・・・SHU-MAI2024 外部展

 

外部展 詳細情報

前期した通り、芝浦生でなくてもご覧になることができるSHU-MAI外部展を行います。
展示の内容や詳細、フライヤー等は少々お待ちください。

|会期・・・7/2 (火) ~ 7/4 (木)
|時間・・・9:00 ~ 17:00
|場所・・・芝浦工業大学 豊洲キャンパス 有元史郎記念交流プラザ
|入場料・・無料

 

次回のテーマ

第1回テーマ : 『群像』

 

第1回フライヤー|デザイン, 出題 : 大池智美

 

課題文; 

私たちの身の回りは数多くのモノで溢れている。それらは目に留めることもないなんでもないモノのようで、1つの空間に集積すると強い意志を持っているように感じられる。私たちは建築を通して、そういったメッセージをどのように盛り込むべきだろうか。

補足文1; 

リビングの吹き抜けや螺旋階段、日差しを取り込む大きな開口部。日常の光景を描く様々なエレメントは、一つの大きな建築となって立ち現れる。そこで繰り広げられる、建築の群像劇とは。

補足文2; 

群像とは多くの異なる要素が集まって一つの光景を形成するという意味である。それぞれ異なる個性や特徴を持った人物や物事が集合することにより、集団的意志を表現したり、独自の雰囲気や魅力を生み出す様子を表す。複数の登場人物によって物語が進行していく群像劇では、それぞれが独立しているように見えるが、全体を通して見ると一つのまとまりを持ったストーリーとして描かれる。この手法を用いて建築を考えてみたい。私たちの生活を構成する様々なエレメントを登場人物と捉え、建築という名のストーリーを展開する。多角的な視点から空間を思考することは新たな創造性を育むだろう。

詳細

|日程・・・・4/19 (金)
|時間・・・・18:00~21:00 (予定)
|場所・・・・豊洲キャンパス 本部棟9階 ラウンジ
|成果物・・・選書1冊, 任意の表現物
|参加資格・・芝浦工業大学の学生であること
|展示場所・・豊洲キャンパス 本部棟9階 原田研究室ブース 可動棚(画像参照)

内部展開催場所
注意事項

※ SHU-MAI文庫の要項については上記の「SHU-MAI文庫解説」をご覧ください。
※ 詳しくは、展示場所にもなっている原田研究室ブースの可動棚に置かれたフライヤーをご覧ください。ご自由にお取りいただけます。
※ 不明点がありましたら、原田研究室InstagramのDM、または原田研究室生B4に直接ご連絡ください。

 

皆様の参加と積極的な議論と表現をお待ちしております。

 

原田研究室 Instagramhttps://www.instagram.com/harada.lab/

 

執筆 : 半田洋久