令和二年度原田真宏研究室B4によるSHU-MAI第3回目を迎える。
今回のテーマは「プリキュア」
三回目ではあるが、だいぶ偏ったテーマに絞り発展を図った。
想像通り制作過程において、男性陣は頭を抱えながらも幼少の頃の断片的な記憶と偏見を交え空間化させていた。
プリキュアに対する思いが男女で異なるが故に、共感できる点と分かり合えない点があり、評価が分かることとなった。
最優秀案は近藤案。
『プリキュアの敵』
「 プリキュア作品に敵の存在は必要不可欠である。
敵がいなければ、プリキュアの戦闘シーンもプリキュアが誕生することすらもない。
今回は、そんな戦闘シーンにおける敵サイドの心情変化を折れ線グラフに表し、できた線を屋根とした建築空間を考えた。」
講評
主人公を演じる数人の少女の視点からでもなく、プリキュアを客観的に見る我々の視点からでもない、作中に出る悪役の視点から設計する点は、意外性と共感を呼んだ。
屋根の下を歩く人は悪役の持つ心情のリズムを、空間の大きさとして感じる。
質疑では縦軸に関する質問が多く出たが、結果として議論の余地を残し、観察と考察を繰り返すことを促す作品であった。
総評
リサーチ、観察力からの飛躍に大きな差が現れていたように思えた。それは幼少期に自然と行われた経験が裏付けているだろう。
少女目線や視聴者目線、プリキュアの作家目線、そして敵キャラ目線など様々な見方から捉えたことで、我々の固定概念の中にあったプリキュアの印象は大きく変わった。
5月26日 「夏」
出案者:安藤、近藤、鈴木、日高(松下研)
文責:安藤