Harada Masahiro Lab

原田真宏研究室ゼミ活動 「SYU-MAI」HP

第88回 「ぶっとんでる」

テーマ「ぶっとんでる」
一等:小泉菜摘
講評:小泉菜摘
 今回のテーマは「ぶっとんでる」です。「ぶっとんでる」の意味の中には、自分の常識から逸脱した状態を指すものがあります。言い換えれば、「ぶっとんでる」状態を認知するには、自分の中の常識という枠組みが必要になります。そして、その枠組みを取り払うことは、新たな発見や、反対に人道を外れた行動をおこさせる可能性をはらんでいます。
 また「ぶっとんでる」に理解不能という意味が備わっているため、「ぶっとんでる」状況が理解された時点で、それは「ぶっとんでる」にはならない。そのため、記号としては理解できるが、それが何を意味するかまではわからない。つまり認知はできるが理解はできない、といった「わかる」における線引きから思考を巡らせた案もありました。




今回の一等、小泉の案




 まず「とんでる」という状況は、整列していた要素の一部が抜けている状況を指すと考えました。それは建築において階段が例にあげられます。ここでとばされる要素は「段」です。そして、「とんでる」から「ぶっとんでる」にするために、階段が全く機能しなくなるぐらいまで段をとばしました。さらに、「ぶっとんでる」における「クレイジー」や「理解不能」の意味を持たせるために、天地を逆転させることによって空間全体を「ぶっとんでる」状況へと落とし込みました。この二つの操作によって「ぶっとんでる」の二つの意味を表しました。
 この案では、天地を逆転させるという操作によって、新たに意味が生まれる点が評価されました。さらに議論を重ねるうちに、操作によって、階段であったものが柵のようなものになったり、人物が階段の下の照明のようになったりと、一つの物体に二つの意味が生まれることがわかりました。この発見によって視点の転換の面白みについての考えを巡らすことができました。



 次回のテーマは「原田先生」です。


参加者:安藤、小泉、小池、堀場、中原、児玉、岡本、三浦、杉山、池田