Harada Masahiro Lab

原田真宏研究室ゼミ活動 「SYU-MAI」HP

第92回 「敵」

今回のテーマ「敵」
一等:安藤祐次朗
講評:小泉菜摘


 今回のテーマは「敵」です。自分の甘さを「敵」として考えている案と、自分に害を与えるものを「敵」とする案が多かったように思われます。前者では中心にいる人物が自分で、それを囲むようになんらかの誘惑が配置されている案が目立ちました。後者では具体的な「敵」を思い浮かべて模型にしたり、「敵」と「獲物」の関係を模型にする案がありました。



今回の一等、安藤さんの案



 この案では、「敵」は自分と利害が一致しない相手のことであり、その反対を「味方」であると定義しています。しかし「敵」にもいろいろな考えがあり、映画の中でジャイアンが仲間になるように、自分の考えと一致するタイミングがあります。模型の中心にいる人物が自分で、その周りを囲む幾つかの円が、ある「敵」のもつ様々な考えです。円にはそれぞれ窓と入り口が設けられています。窓からは相手の考えをのぞくことができますが、自分の考えと一致しないため、円の中に入ることはできません。一方、入り口のある考えは、自分の考えと一致するため、中に入って味方になれます。つまり、「敵」であっても「味方」になる瞬間があることを模型で表現しています。
 ひとつの敵であっても、幾つかの考えを持っており、その中には自分の意見と一致するものもある。私たちは、一度「敵」と認めてしまったら、その固定概念を壊すことができず、いつまでも対立してしまうのかもしれません。自分の周りにおける様々な対立において、「敵」を見つめ直すことも必要であると、考えさせられる案でした。


 次回のテーマは「手紙」です。


参加者:安藤、堀場、小池、児玉、三浦、小泉、池田