Harada Masahiro Lab

原田真宏研究室ゼミ活動 「SYU-MAI」HP

第73回 「天気」

テーマ 「天気」
同列一等:神崎潤、山中森
講評:山中森


今期最初のシューマイのテーマは「天気」とのことで、多くの案が机に並べられました。朝目覚めてまず入ってくる情報のひとつに天気があると思います。天気による部屋の明るさや、雨風の音。またリビングにいきテレビをつけると、必ずといって良いほど今日の天気が画面のすみに記載されています。天気は生活のなかでも優先順位の高い情報なのです。そんな情報の天気というなかの物理的な事象を取り扱う案が多かったように思います。

今回の一等、山中の案
私の案も天気という物理的事象を取り扱うなかの一つです。天気は、雲が多いとくもりだし、少ないと晴れ、雲が厚くなると雨が降ったり、雪が降ったりします。そんな気象現象は雲の変化によって決定され、環境の変化は雲によって可視化できていると考えました。ではその雲とはいったい何なのか。調べました。雲粒という小さな粒子(大気の水蒸気や、ちり、ほこり、etc)によって構成されているそうです。今回その構成要素を様々な紙によって構成し、それを4本の棒にただ突き刺すものにしました。紙は自らの重みや、風、紙の重なり、湿気、それぞれの縒れ合いにより少しずつ変化する、環境そのものを表現しました。


今回の一等、神崎さんの案
西洋絵画と日本絵画における雨の描写に着目した作品です。日本絵画の浮世絵などで、雨は線を使って表現しています。その線という物質の具体化を使い抽象的な空間が生まれないかという試みをした作品です。本来雨粒という点が落ちてきている現象に線を見ることは出来ません。しかし我々日本人は雨が降っていることを線によって感覚的に理解することが出来ます。この表現の擬態化は漫画などにも見ることが出来るのではないでしょうか。抽象的なニュアンスをあたかも分かったように見せかけるのが上手なのでしょう。それをさらにまた抽象化させた先になにが起こるのかわくわくしてくる案でした。


次回のテーマは「渋谷」です。

参加者:石本、平良、田中、福山、牧田、北口、小川、田畑、深津、紺野、神崎、磯、大久保、藤本、山中